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引き染め

白地に映える夏らしい文様のゆかた

ひとつひとつの工程をそれぞれの職人が担って丁寧にバトンを繋ぎながら仕上げていく。今回はそんな職人同士の技術が重なりながら「引き染め」を行っている剣美工芸を訪ねた。「引き染め」は刷毛に染料をつけて引いて布を染めることからその名が付いた。反物の端を張り木で挟み、伸子で引き伸ばして張るように広げ一気に染めあげていく。むらができるのを防ぐため、染め始めると途中で止めることはできず、気温や湿度によっても染まり方が変化するので職人の技術が求められる。「型付け」の動きには一切の無駄がなく、あっと言う間に長さ6mほどの長板の型付けを仕上げていく。当たり前ではない動きを当たり前のように行っていくということが長年の経験を物語っている。「引き染め」は一度染め始めると途中で止められず、一気に染め上げないといけない。来客や電話が鳴っても手を止めることはなく、むらなく均一に仕上げるために集中する。見ている側からすると軽々と刷毛で染めているように見えるのだが、均一な染めあがりは見事なもの。気温や湿度によっても染まり方が変わるというが、目には見えない何かを読み取っているとは思えないほど軽やかな動きに驚いた。「差し」は文様に合わせて一定の箇所に色を入れていく。伝統的な文様に差し色がアクセントとなり、仕上がった時になんともいえない風合いが出る。まるでそこに「差し」を入れる印があるのではないかと思うほど、素早く正確な動きであった。各職人が型付け〜引き染め〜差しと一連の工程を分担し、丁寧にバトンを繋ぎながら昔と変わらぬ技術が未来へと繋がっていくこと。それは伝統的な文様のゆかたを着る機会が、若い世代にも繋がっていくということでもあると思う。
【取材協力】剣美工芸 / 埼玉県新座市

伝統技法"引き染め"の工程

  • 「型付け」

    型にある星を目印とし、継ぎ目がずれないように一型ごと防染糊を置いていく。
  • 「乾燥」

    糊付けしたものを一昼夜乾燥させる。(写真右が糊付けしたもの)
     
  • 「引き染め」

    一反分を均一に同じ色に染める。むらなく一気に染めあげるには高度な技術が必要。
  • 「差し」

    文様に合わせて、一定の箇所に色を入れていく。
  • 「仕上がり」

    水洗い、乾燥の後に仕上がり。白地に文様が映え差し色がアクセントに。

動画「引き染め」

実際の引き染めの様子。
むらにならないように、一気に染めあげます。

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