竺仙|浴衣(ゆかた)天保13年創業の呉服屋

浴衣を着て気分を変える

今年は、各地の花火やお祭りなど浴衣姿の似合う催しが軒並み中止になり、イベントを心待ちにされていた皆様は、いつもと違う夏をお過ごしの事と思います。
そのような中で、竺仙として何かできる事はないか…と考えておりました。

そこで、皆様が沢山の商品の中から御自分の一品を選ばれた時の気持ち。
お仕立てが出来上がり、お受取りになられた時の気持ち。
そんな時間をお召になられる時、思い出して頂けたら…と。
そのような場所を作りたいと思い、インスタグラム上に於いて「#浴衣を着て気分を変える」をキーワードにし、浴衣の着姿写真を集める場所を作成しました!
こちらに皆様の楽しんでいるお写真が集まり、ご覧になられた方にも浴衣を楽しむ様子をお伝え出来たらと思います。
竺仙浴衣ばかりではなく、お手持ちの浴衣でもけっこうです。
思い思いに楽しんでいらっしゃる姿が沢山集まればと思っております。
皆様のご参加お待ちしております!!

vol.3

特集の第三回目は、明治八年創業の鰻屋、高嶋家の若女将である鴛尾和佳子さんに登場していただきます。
高嶋家さんは竺仙のご近所さん。
鴛尾さんは毎日、着物姿でお客様をお迎えされています。
朝に着物を着て、昼営業が終わると洋服に着替え、夜営業の前にまた着物に着替えることが多いそうですが、デパートでの催事や日本橋でイベントがあると朝から一日中着物を着ている日も。
そんな日常を過ごされている鴛尾さんにお話を伺いました。

以前は、二部式の着物でお仕事をされていましたが、お客様に喜んでいただきたいという思いから、4年前に近所の着付け教室に数回通って学ばれました。
以来、毎日着物を着る生活を送られています。

2人の小学生のお母さんである鴛尾さんは、保護者会にも着物で出席されます。
お子さんたちは、着物や小物を選ぶ時にどちらが良いか聞いてみると、TPOに合わせてしっかりアドバイスしてくれるそうです。
一緒に公園へ遊びに来ることもあります。

美容院や歯科医院にもお着物で通われています。
着物での診察は大丈夫なのでしょうか。
歯医者さんのあの椅子に着物では帯が邪魔になってしまいそうですが…
先生にもお話を伺いましたが、特に問題はないと笑っていらっしゃいました。

撮影した日は梅雨真っただ中でした。
朝から降り続いていた雨が撮影直前に止みましたが、またいつ降り出してくるかわからないような空模様。
それでも気にせず傘を持ってスタスタ歩いていきます。

夏はゆかた姿でもお店に立たれるとのこと。
今日お召しの型絵染紅梅小紋もとてもよくお似合いです。

今回の撮影にあたっては、「縄跳びを子供に借りてゆかた姿で飛んでみましょうか」と、こちらがびっくりするようなご提案もして下さいました。
残念ながら縄跳びの写真は撮れませんでしたが、お茶目でとても自然体な鴛尾さんです。
ルールにとらわれずに、好きなものを自由に着て、どこへでも臆せずに出かける。
着物を着て、日常の当たり前のことをする。
鴛尾さんとお話をしていると、着物を着ることは特別なことではないのだと、改めて思いました。

まずは、ゆかたに着替えてみませんか。
「ゆかたで日常を楽しむ」ことは案外気軽にできることかもしれません。
変わらない一日が特別な一日になったり、何気なく過ごす時間が素敵な思い出になったり。
日々の暮らしの中にちょっとだけ「特別」をプラスすることで、楽しく過ごせるのではないでしょうか。
着るものを変えて、新しい景色を見つけましょう。

vol.2

引き続き原由美子さんのお話をご紹介いたします。
第二回目は原さんに竺仙にお越しいただき、反物を広げながら、今年の夏だからこそ、の場面を想定しながらゆかたと帯を選んで頂きました。
まずは『オンライン会議で着てみたいゆかた』です。

今年はリモートによる仕事が増えた方も多いことと思います。
今後も続きそうなこの状況・・・たまには趣向を変えてゆかたを着て会議をしてみる、というのはいかがでしょう。
相手には顔回りしか見えないところががポイントです。衿元の印象が重要になります。
選んで頂いた二枚は柄のない無地の部分が多い浴衣です。
衿は無地のところを意識して多く出るようにすると、衿元がすっきり見えて半衿がないゆかたを着ながらも、きちんとまとまった印象にすることができます。

「顔周りに大きな柄や差し色が目立つと遊びっぽいイメージになってしまいがち、この2点はそうでない感じ」と選んでいただきました。
長時間、椅子に腰かけて仕事をするには苦しくならない帯が良いかも、という訳で小千谷縮の兵児帯色は少し仕事モードの墨黒と白のを合わせました。
もう一枚選んでいただいた一番右のゆかたは、逆に無地場が少なく、萩の柄が全体に小紋調に染められています。 このゆかたは仕立てたとき衿に均等に柄が入るので着物っぽくも見えます。 「きちっとまじめな感じやキャリアを大切にしたい人向きです。」とおっしゃっていました。

『ゆかたを着て、おうちで食事』

飲食店のテイクアウトやお取り寄せ
様々なお店が趣向を凝らしたメニューを提供してくれて、利用する機会も増えた方もいらっしゃることでしょう。
そんなとき、ゆかたに着替えて気分を変えてみましょう。
左・リモート会議が終わって、ランチにフレンチをデリバリー
明るい青色の破れ七宝の綿絽ゆかた。「七宝の連続が幾何学模様っぽくモダンに見え、不思議とフレンチにも合いそう。」
仕事中とは帯だけかえて気分転換を。白地の琉球絣の半巾帯、ラタトゥイユこぼさないようにしなくちゃね・・・と原さん心配しておられました。
綿のゆかたはざぶざぶ洗えるので多少の汚れはきれいにできます。ゆかたを汚さないか心配ばかりしないで思い切り楽しみたいですね。
右・江戸好み白地、釘抜きの柄。こちらも和の伝統柄でありながら洋にも見える柄。
珍しいグリーンの色にちなんで、こちらはイタリアンをテイクアウトしたときに。
逆に、きっかり和の柄のゆかたにして気取ってみるのも良いかもしれません。

『印象の強い大きな柄のゆかたはこんな時に』

左の茶色地の瓢のゆかた
『男の人にぜひ着てもらいたいゆかた。家でくつろぐときは兵児帯で、出かけるときにはロートンの男帯で直線的にして』
右・コーマ地白地の露芝にほたる、風呂上りにこんな浴衣を着て細帯か兵児帯をあわせても。
『温泉の宿にきている感じも味わえたり、近所で蛍狩りできるようなところに住んでいる方がいたらよいのだけど・・・』
『大胆な柄の方が涼しげだから着てほしい、夕方二人で近所を散歩していたら相当目立つカップルになるかしら・・・』
風景が想像されて、見慣れた浴衣の柄がより一層味わい深く見えてきます。

『ちょっとお蕎麦屋さんへ行くときも、ゆかたを着るだけで特別なイベントに』

そしてこの夏、遠出はできないけれど、近所で楽しみを増やしたい・・
左・茶色の変わり輪繋ぎ柄のゆかたは男物の反物ですが、女性がこんな柄を着てふらりとお出かけするのも良いものです。
小紋柄なので名古屋帯にしたいところ、文庫結びだと違和感があるけれど紺地の琉球かすりの半巾帯を貝の口にして。
中・たてに蛇の目傘が並ぶ紺地のゆかたは遠目にも映えます。白地の琉球かすりの半巾帯を合わせて、 『‘夕焼けだんだん‘など歩くのはどうでしょう、どぜう屋さんの座敷に座った姿も”風景としてかっこいい”』

『より気分をアップさせたいおでかけに』

  • 奥州小紋、傘に撫子柄は顔写りも良さそうで、夕方の散歩や料理屋さんでの食事など 着物風にもきられる浴衣は気楽に使えます。
  • 原さんは踊りの初舞台の衣装が若草色の撫子の着物だったこともあって、撫子柄の着物をこだわってをさがしていたことがあったそうです。
    でも撫子は秋の花なので着物になっているものが意外に少なかったのだそうです。
    こちらの撫子柄は丸い花の形と横向きの本物っぽい花が混じり合ったデザインが面白い絹紅梅、ちょうど夏の着物がわりに着ることができるので良いと思う、との事。
  • たくさんの反物の中から選んでいる原さん。

商店街に行くときと駅ビルのお店に行くときは気分が違うはず・・・何を着ようかあれこれ想像するだけでも楽しい気分になるはずです。
コロナの状況で行動が限られてしまいがちな日々ですが、少し身の回りでできることを楽しんでみましょう。『浴衣を着て気分を変える』実践してみませんか?

今回 選んでいただいた竺仙の反物のほか、様々なゆかたの魅力満載の原由美子さんの近著
『原由美子の大人のゆかた きものはじめ』 CCCメディアハウス出版

vol.1

梅雨も明け、いよいよ夏本番ですね。
ゆかたでお出かけする機会が多い季節になりましたが、今年は花火大会やお祭りは中止、夏休みは短くなって、いつものような夏を過ごすことがなかなか難しい状況です。
でも、日々の暮らしの中に、ちょっとだけ「特別」をふやすことで、楽しく過ごせるのではないでしょうか。

お家でゆかたを着る。
それは数十年前にはよく見る風景でした。
商店街ではゆかたに前掛け、買い物かごを持ち下駄をはいた女性をよく見かけたものです。
日常の中で特別なものではなかったゆかた。
今日では、特別な日に着るカジュアルなおしゃれ着に昇格したゆかたですが、「ゆかたで日常を楽しむ」ことは案外気軽にできることかもしれません。
変わらない一日が特別な一日になったり、何気なく過ごす時間が素敵な思い出になったり、着るものを変えて新しい景色を見つけてみませんか。

そんな新しい日常のゆかたの楽しみ方について竺仙にゆかりのある方々にお話を伺いました。
第一回目はスタイリスト原由美子さん。
6月には雑誌フィガロジャポンに連載されていた『きもの暦』書籍化第3弾、ゆかたを中心に新しく構成された『原由美子の大人のゆかた きものはじめ』が出版されています。

まずは原さんのお宅に伺ってご自身の浴衣を見せていただきました。

真ん中のグレー地は竺仙の『流水に菊』の松煙染。
その両側の紺地の二枚は今はもう染められなくなってしまった両面柄違いの籠染ゆかた。
手前は島田純子氏デザインの綿絽ゆかた、学校の授業で縫った思い出のゆかたなど。

幼少の頃から日本舞踊でゆかたに親しんでいたという原さんの浴衣ざらいの時の写真です。
大学生の時、初めて自分で買ったというゆかたは『白地に束ね熨斗』

二十歳の頃に伝統的な柄のゆかたを選んだ、原さん好みが窺えます。

写真はメダカ柄の籠染ゆかたを着て着付けの本多恵子さんと食事に出かけたとき。
「この衿合わせは失敗・・・」とおっしゃっていましたが、博多献上の小袋帯をさらりと締めて自然な雰囲気が素敵です。

こんな風に気負わずに普段、ゆかたを着て楽しい時間を作る・・・
さらに今年ならではのゆかたのお話をたくさん伺いました。
~Vol.2につづく