皆さまは江戸小紋が武士の裃から発祥したことはご存知かと思います。
そのデザインが一般の女性の方がお召しになるには色気が無さすぎます。
そこで裃からヒントを得て一般女性にもお召し頂けるように柄もはっきりさせたのが、中小紋でございます。
しばらく、細かい遠目に無地に見えるのが小紋の特長と言ってまいりましたが、当時は女の方がお召しになるように作られた裃小紋より少し大きな柄行でお召し頂いても何の柄か分かる着映えのする着物を中小紋と申します。
改めてその世界を皆様にご紹介申し上げます。
1.「紗綾形に群千鳥」
紗綾形に錐彫で千鳥が配されております。
紗綾形は定め小紋にも登場するような格式のある柄ですが、そこに群千鳥を配することでいかにも江戸っ子の好みそうな粋な小紋が出来上がりました。



2.「牡丹唐草模様」
牡丹唐草模様でございますが、遊びの無い精緻な牡丹が描かれ格式も残ったお洒落小紋の味わいを感じさせます。


