‘’江戸小紋‘’は昭和の時代に世に出てきた名称で、江戸時代には無かった呼称でした。
どうやら文化庁が京都の小紋と区別するために使用した名称のようです。
世に生まれた江戸小紋のジャンルは、新しく生まれた商品ではなく、従来から存在した武士の裃の柄を主体としたデザインでした。
武士の世界から町人の世界に伝わったデザインは男性使用から女性使用にも広がりをみせ、今に見る多様な柄を生み出してきました。
武士の世界で門外不出の内向きの考え方により守られてきた衣裳デザインが、町人商人に広がりをみせることで大変自由な、今以上に多彩な文様が出来上がってまいりました。
その中には宮廷文化を根源としたデザインもありました。
今回ご紹介する龍田川の柄は京文化を連想させます。一方、紗綾型に貝合わせの柄の中のすすき、紅葉は江戸風情を感じます。それぞれの世界観が描かれた、時代に合う意匠となっております。
また浮世絵にみられるような世界に類をみない江戸の風情が描かれた極細小紋など、私共の新旧の江戸小紋柄の中からいくつかご紹介いたします。
お召しになられる方だけに判る満足感と同時に、周囲にも穏やかな一瞬を提供できているかと推察されます。
1.錐彫江戸小紋 「雪輪取り江戸風景」
江戸風情が描かれた風景を錐彫りで表現、
松林、夕立、網干などそれとはわからないような図柄にまとめております。
それぞれをモチーフにした小紋もございます。
2.文久小紋 「松」
松の枝振りの図柄も卑近な景色から取り上げられております。
3.縞小紋 「雨入り万筋」
江戸っ子の好む万筋に雨だれを入れた雨入り万筋も当時の風情を伝えてくれます。
4.中小紋 「網目」
網目の柄しかも破れに表現するのも庶民感覚が伝わりますね。

















