2021.11.04「中央区工芸 ものづくりの会」発足致しました。
ここ中央区は日本文化の中心でもあり長い歴史と共に、今なお変わることなく受け継がれた卓越した技術と技法を用いた、「つくり手」である「ものづくり」に真摯にとりくむ人達が多く存在致します。
これからもそうしたものづくりを継承・発展とこの江戸文化工芸を国内だけでなく世界に向けて発信していきたいという熱い想いを共有する集まりでもあります。
現在メンバーは11店舗。
日本橋さるや(楊枝)・うぶけや(打刃物)・ 経新堂稲崎(表具)・大野屋総本店(足袋)
浜町高虎(半纏・手拭・袋物)・内田表具店(表具)・白木屋傅兵衛商店(江戸ほうき)
龍工房(江戸組紐)・江戸屋(刷毛・ブラシ)・伊場仙(扇子・団扇)・竺仙(呉服店)
東京の中央から、届けたい想い、作り手の温かい心と熱い江戸の「粋」。
新しいものづくりの発信が始まります。乞ご期待を!
ホームページ:https://chuoku-brand.tokyo/
2021.10.28竺仙ものづくり日記
唐桟縞、桟留縞は江戸期に伝来した、紺地、茶地に赤や黄などが入った細い縦縞の綿織物です。
インドのセント・トーマス港から渡ってきたのでサントメ(桟留)縞と呼ばれ、
外国の=唐、の桟留縞=唐桟縞は江戸の人々にたいへん珍重されたようです。
浮世絵に描かれた、いかにも洒落者といった風情の男女が着ている縞の着物は唐桟縞なのでしょうか。
流行した唐桟縞は国内でも製織されるようになり、川越唐桟、館山の唐桟など今でも織られています。
織物の唐桟を江戸小紋の染技法で作ろうと出来たものが絹の染唐桟縞です。
型紙を使って糊を置き、防染をし、しごき染めで染められる江戸小紋は基本的に単色の着物です。
でも多色の縞である唐桟縞を表すため、型彫りの職人は
染め分ける色ごとに二枚、または三枚の型紙を彫りました。
一枚目の型紙を使って防染糊を置き、
二枚目の型紙で一色目の縞を、三枚目で二色目を色糊で染めます。
最後に地色をしごき染めし、水洗で糊を落とすと三色の唐桟縞が染め上がります。
どこまでも面白い縞を作ってみようという創作意欲が伝わってきます。
昨日、縞の染職人、浅野栄一氏が染め上げた唐桟縞が届きました。
渋くて粋な唐桟縞とは少し違う、現代的な配色のグラデーションが新鮮です。
真綿の紬地の染められているので、こっくりと暖かみを感じさせる縞の着物になりました。
2021.09.30竺仙ものづくり日記
この時期 絹布商品部には秋冬から来年展示会にむけた新しい着物が染め上がってきています。
今回はその中から紬生地に染めた越後型小紋の新作をご紹介いたします。
牡丹をモチーフにした型染でコバルトブルーと黄色の差し色が入った小紋です。
この柄は小津安二郎の映画「彼岸花」に登場する型染小紋と同じ柄です。
女優、山本富士子演じる、京都から東京にやって来るお嬢さん、幸子が着ているのがこの柄の着物なのですが、
大柄で華やかさもある小紋の清々しい着姿に目を惹かれます。
赤い帯と八掛も相まって、快活な幸子の役柄にぴったりと馴染んでいます。
「彼岸花」は小津安二郎の初のカラー映画なのだそうです。
実際の着物の色がどの程度再現されているのかわかりませんが、
映画の中では白地に藍濃淡と濃い黄色の差し色で染められている晴れやかな小紋です。
京都のお嬢さんの設定なので、おそらく縮緬生地の着物なのではないかと思いますが、
今回はこの柄を紬生地に鼠色をベースにした鮮やかな青で染めました。
この作品では他にも型染小紋の姿を見ることができます。
浦野理一が手掛けたという劇中の着物や帯はどれも魅力的です。
日常に洋服姿と着物姿が自然に溶け込んでいた時代の空気を感じながら、
この反物が現代の着物になってくれたらよいな、と思っています。
2021.09.15竺仙ものづくり日記
毎年、春から次年度商品の制作準備を始めるのですが、最初に取り掛かるのが干支の手拭です。
来年も良い一年になりますように、との思いを込めてデザインします。
令和4年は寅年です。
その干支手拭が染め上がってきましたのでご紹介いたします。
「竹に虎」は組み合わせの良い図柄として、古くから様々に描かれてきました。
仏教の法話では、「安住の地は何処か」という意味があるそうです。
猛虎でさえ逃げ場が必要であり竹藪が安全地帯となります。
私たちにとって安住の地は何処なのか、虎が導いてくれるかもしれません。
毎年定番の千社札には張り子の寅を描きました。
張り子の寅は、健やかな成長を祈る縁起物として飾られます。
しかし一方で、虚勢をはる、見掛け倒し、といった意味で語られます。
どちらの意味合いになるかは心がけ次第、といったところでしょうか。
来年の話をすると鬼が笑うそうですが、ものづくりを担当している私たちはいつも鬼に大爆笑されていると思います。
寅年は鬼も人間も大笑い出来る一年になると良いですね。
2021.09.01きものSalon 2021-22秋冬号にて竺仙江戸小紋を掲載していただきました
家庭画報特選 きものSalon 2021-22秋冬号 (9月1日発売)
「私のきものデビュー」 街でのお出かけで着映える小紋 108頁
江戸小紋〈松波〉と江戸友禅帯〈宝尽くし〉を掲載していただきました。
モノトーンで格好良い組み合わせになっています。
ぜひご覧ください。
2021.08.31Webマガジン Hanako.tokyo にて弘中綾香さんに竺仙ゆかたをお召しいただきました
アナウンサー弘中綾香さんのコラムで竺仙ゆかた〈松煙染小紋 桔梗〉を大人かわいらしくお召しいただいております。
弘中綾香の「純度100%」~第57回~ | 弘中綾香の「純度100%」 | Hanako.tokyo
是非ご覧下さい。
2021.08.30TBS火曜ドラマ 二階堂ふみさんに竺仙ゆかたをお召しいただいております
TBS 火曜ドラマ「プロミス・シンデレラ」8月31日放送 第8話
二階堂ふみさんに、コーマ白地「菖蒲」をお召しいただいております。
是非ご覧ください!
2021.08.30竺仙ものづくり日記
最近テレビドラマを見ていると、男性が染の着物、いわゆる「柔らかもの」を着ているシーンが目に付く気がします。
男物といえばお召しや紬、織物の着物が多いのですが、竺仙では江戸小紋など、染の男着物も作っています。
先日 唐桟縞の染小紋を男物に仕立てました。
唐桟縞といえば、もとはサントメ縞とも呼ばれる舶来品の2~3色の細かい縞の綿織物ですが、
染の唐桟縞は2枚~3枚の型紙を使い、多色の縞を染めで表現しています。
縮緬生地に黒と赤の二色で染められた縞はしなやかで粋な着物になりました。
江戸小紋は型紙の巾が決まっています。そのため柄によっては、巾広の白生地でも染められる巾は広くできません。
こちらは反物巾1尺6分(約40㎝)の白生地に唐桟縞を染めたのですが、型紙の巾が1尺弱でしたので生地の両端の無地の部分が5分(約2㎝)ほどありました。その部分を縫い代にし、柄があるところ巾いっぱいに使い、裄1尺9寸3分でお仕立てしました。
竺仙の江戸小紋は1尺1寸巾のキングサイズの着尺もございます。通常1尺巾ですが裄が長めの方に仕立てることができる反物もございます。どうぞご相談ください。
2021.08.03十六茶麦茶WEB限定動画 新垣結衣さん
新垣結衣さんに綿絽白地「鉄線散らし」の柄の浴衣をお召しいただいています。
【十六茶】WEB限定動画「十六茶なのに麦茶?」新垣結衣 – YouTube
是非ご覧下さい!
2021.07.29婦人画報デジタルにて長板中形染を紹介していただいています
婦人画報デジタル7/21 朝香沙都子の着物ダイアリー「江戸の粋、長板中形の藍と白』
https://www.fujingaho.jp/uts-kimono/essay/g37046183/asakasatoko34-210721/
野口染工場の染工程もご覧いただけます。是非ご一読ください。